詩人と抽象画を描く画家はジャンルこそ違いますが大きな共通点があります。それぞれが受け取った風景や人物などからの情報を一旦自分に取り込んで味わって消化した後、受け取った情報やその時に自分に起こった感覚を独自の感性で表現しているところです。

詩人は文字で表現し、画家は絵で表現する。すなわち表現方法が異なるだけなのです。

詩人や画家が見た風景や人物などと同じ光景を一般人である私たちだっていくらでも見ているのですが、いざ「あなたがうけとったものを表現してごらん」と言われたって「見るのは見たけれど、それをどう表現したらいいのかちょっと・・・。」としり込みしてしまいます。

何故だと思いますか?私たちが彼らと全く同じ光景を見たとしても、根本的な見方が異なるのです。しっかり見ているつもりでいても、実際には目に映った光景を無意識で見ていたり何かを考えながらぽんやりと見ていただけ。

それに対して詩人や画家たちはこれだと言う対象に対しては無心になって穴のあくほど見尽くし、受け取り尽くし、味わい尽くし、右脳へと刻み込んでいるのです。

後はそうして受け取ったものをどういうスタイルで表現するのかだけ。

実は、詩人や画家並みに無心になって穴のあくほどしっかりと見つめ、かなりのレベルで奥深くキャッチしているけれど、受け取った情報や自分に起こった変化について一切外側に表現しようとせずに放ったらかしという人も少なからずいるのです。

表現することにそれほど関心が無いか、どう表現してよいのか分からないのかのどちらかだと思います。

素晴らしい感度で受信しているのに、受信したデータはまったく日の目を見ることなく、やがて記憶の中から次々と消滅していくのだとしたなら何と惜しいことでしょう。

詩や絵画では表現ができなくたって、幼児が書くレベルの簡単なスケッチと日常で使うような語り慣れた言葉でなら簡単に表現することが可能です。最初はうまく出来なくてもいいから実際にやってみることと慣れることが成功へのカギになります。

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