私は長い間毎日欠かさず朝夕お祈りをしていました。お祈りをしている時、お祈りをしている自分の状態を観察していたもう一人の自分が居たんです。心が静まり返った時、頭と体に何ともいえない独特の感覚がありました。毎日毎日その感覚と出会います。

やがて慣れっこになってしまうというか、お祈りを始めると、1〜2秒ですぐにその感覚のモードへと突入してしまっているんですよ。

この状態の時は、娘たちがそばで騒いでいたって、家の前をちり紙交換の車が通ったって、暑いとか寒いといったことさえほとんど何も気になりません。ただ単純に、お祈りしている時は誰でもこういった状態なんだと思っていました。

以前にも書きましたが、その後知人の紹介で京都にある大手電機メーカーの研究所に遊びに行く機会が訪れました。研究所の応接室には当時ではまだ珍しかった脳波計が置いてあって、所長さんが私の脳波を測定してくださることになりました。いきなりのことでしたし、予備知識が無いので私は何のことなのかあまりわかっていませんでした。

「この測定装置を装着していただいたなら、私がスタートボタンを押します。心を静かにしていますとやがて脳波はα(アルファ)波に推移していきます。α(アルファ)波になると装置中央の十数個の小さなランプが緑に点滅してピピピピと音がなりますから、目を閉じていても自分がα波になったことがわかりますからご安心下さい。」みたいな説明だったでしょうか。

何人かのスタッフの人が見守る中、ちょっと緊張状態で測定を受けることになりました。30秒経過、1分経過。機械はうんともすんとも言わないんです。十数個の小さなランプもβ(ベータ)波であることを示すオレンジ色が点灯していました。「大丈夫ですよ。最初はみなさんこうなんです。」と所長さんは気遣って声をかけてくれました。

その時私はふと「何が何でもα波になろうと強く意識しすぎるときっとダメなんだな。それなら、何も考えずにリラックスしていつものお祈りでもしよう。」と思いつき、冒頭で書きました自宅で毎日やっているお祈りモードに突入。すると、突然測定器のランプが緑に点滅してピピピピ音が鳴り出したんです。

そこで私は何もかもわかりました。リラックスしながら集中するという独特の感覚。私はいつものお祈りの時の感覚を再現することで、一瞬にして脳波がα波になるのだということを身を持って知った瞬間でした。この体験があって、私の気脈診に対する取り組みは一気に加速することになったのです。



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