昔、キ○スト教系の宗教団体の勧誘の人が、よく我が家へも回って来られていました。二人がペアを組み、順番にチャイムを鳴らして行く無差別訪問です。多くの家庭ではインターホン越しにキッパリ断っておられるようなのですが、ある日私は、どんな人が回ってこられるのだろうと思って、「はいはい。」と外へ飛び出しました。

とても上品に丁寧にご挨拶をされ、○○教会で素晴らしいお話があるから聞きに来て欲しいと言うお誘いをされます。私は特定の宗教を信仰していませんが、こうした場合はたいてい逆の立場であるような応対をすることにしています。「ごめんなさい。私は仏教を信仰しています。」

すると、彼らは違った宗教を信仰する人も、特定の考え方だけにとらわれる事無く、教会に来てまた違った角度からの考え方を聞くことが大いに勉強にもなり、価値のあることだと、何が何でも引き込もうとします。

「それは素晴らしいお考えです。ちょうど良かった。今晩、○○寺で仏教の勉強会が開かれますので、まずあなた方がいらしてください。何かのご縁ですから私がご案内します。一緒に仏陀の知恵について学びましょう。」などと、架空の行事への参加を冗談で問いかけますと、顔色を変え「お断りします。そんなの行きませんよ。」と口をそろえて首を横に振ります。

「あなた方の言っている事は矛盾していませんか? 特定の考え方だけにとらわれる事無く、違った角度からの考え方を聞くことが大いに勉強になって価値のあると言ったのはあなた方ですよ。」彼らは顔をゆがめ、無言で逃げるように小走りで立ち去っていきます。最初の丁重な挨拶や気品のある態度は見る影もありません。その一件以来、勧誘の人たちは来なくなりました。

巡回勧誘をなさるのは自由ですが、勧誘の見込みがなくなったとか、分が悪くなったからといって、突然態度を変えて捨てゼリフを吐いたり、挨拶もせず立ち去るような態度を取るのは言語道断。人としてのマナーは最後まで守っていただきたいものです。



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