若い頃、色んなビジネス系のセミナーに参加しました。3泊4日とか7泊8日などの宿泊研修というものです。楽しかったのは研修で知り合う仲間たちとの出会いです。同じ目的を持って全国から集まったメンバー。寝食を共にしますと、男女を問わず、もうずっと古くからの友人のように心が通じ合ったものです。

東京で開かれたセミナーで知り合ったKさん。毎日、講義が終わった後は滞在先のホテルのラウンジで徹底して飲み明かしました。「私は毎日、どんなに眠くなっても辛抱して夜中の2時半までは絶対に起きているんだ。」と語るKさん。「えー どうして? 私なんか9時か10時には疲れてバタンキューで熟睡だよ。」

Kさんが言うには、人生には決められた時間しかない。その大切な時間を睡眠で奪われるのが惜しくてたまらないので、次の日の朝がどんなに早くても、夜は無理をしてでも起きているとのことです。私は眠気には弱かったので、その気持は理解できませんでした。自分には到底マネが出来ないし、そんなことはしたくないとも思いました。

20年余りの歳月が経過した今、Kさんのことを時々思い出します。「いくら長い時間眠っても、朝、目が覚めたらそんなの一瞬じゃないですか。だったら私は少しでも遅くまで起きていたいんですよ。」と熱く語っていたKさんの姿がまぶたに浮かびます。Kさん元気にしているのかな?そしてもしもどこかで会えたなら報告したいことがあります。

「Kさん 俺もあんたに負けないくらいの夜更かし人間になったよ。明日の朝がどうなろうとクソ食らえだ。今になって、そしてこんなオヤジになって初めてあの時のあんたの気持が痛いほどよくわかる。あの時は笑ってごめんね。」

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